CAD冠の保険適応やジルコニアクラウンの普及、その他にもデジタルデンチャー等も始まって来て、日本の歯科技工界にデジタル化が急速に高まっています。しかし、まだまだ人手が必要な所が多いのも現状です。いろいろな産業分野で外国へのアウトソーシングが盛んですが、歯科技工はまだまだ進んでいないのは、法律で規制されている部分と規制緩和が進まないところにあります。関係各団体がその部分の法規制緩和に動いていただいているので、将来的にはグレーの部分も無くなると思います。そこで、私たちはベトナムへの歯科技工所進出を検討しています。ベトナムは東南アジアの親日国の一つであり、日本との関係が強化されています。また、歯科技工士不足を補うために、早くから先見性のある歯科技工所がベトナムに進出し成功しているところもあります。ベトナムで日本の高度な歯科技工技術と最新の歯科材料を提供することで、現地の歯科医療の向上に貢献し、日本企業としても競争力を高めることができると考えています。

ベトナムは社会主義国家ですが、経済改革により急速な発展を遂げています。人口は約1億人で、若年層が多く勤勉で真面目です。社会インフラも進んできており、ホーチミンやハノイでは日本のODAによるメトロの建設が計画されています。反面、社会主義国家なので、いろいろな面で規制が多く関係官庁への申請手続きは煩雑な面もありますので注意が必要です。昨今では、技能実習制度で多くのベトナム人青年が日本で働いており、日本語や日本文化に親しんでいます。

ベトナムへの歯科技工所進出には様々な要素を考慮する必要があります。例えば、外資で設立するかローカルで設立するか、ラボの設置場所や建造方法はどうするかなどです。また、目標達成までには以下のようなステップが必要です。

（A）技工士の採用、教育のスケジュール

（B）賃金体系の作成

（C）機材 機材材料の調達ルートの確保（D）製造のロジスティック

（E）各段階でのKPIの設定

日本企業のベトナム進出には、数々のコンサルの会社がありますが、歯科分野については知識が乏しく、会社設立に関する数々の申請書類やノウハウには経験が無い所が多く、その様なことを経験していないコンサルには対処は出来ないと思います。

私どもは、ベトナムで日本歯科技工の普及に取り組んでおり、現地のニーズや状況に精通しています。

ベトナムへの歯科技工所進出は、日本企業にとって大きなチャンスです。しかし、それだけに課題も多く、成功するためには慎重な準備と戦略が必要です。私たちはベトナムで高品質な歯科技工サービスを提供することを目指しています。日本の会社だから日本と同じやり方で当たり前だろうと考える日本人が多いと思いますが、永年ベトナムで仕事をして気づいたのですが、ベトナムには日本人とは違う文化や考え方があります。日本の仕事の進め方も日本企業では当たり前ですが、ベトナム人の考え方も良い面があり、押しつけずにベトナム人の考え方も理解する必要があります。新たな良いやり方が出来ると思っています。